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Lesson.03*基本姿勢の歴史と重要性を知る

◆適切にアプローチするため、基本姿勢をマスターする
 障害馬術では、ついつい、そのダイナミックな飛越姿に目が奪われがちですが、重要なのは飛ぶ瞬間より、むしろ、障害へのアプローチにあります。
 100cm程度の低いコースであれば、競走転用馬を含めて、日本にいるどの馬も、減点0でゴールできる能力を持っています。このような低い障害の場合、失敗する原因のほとんどは、馬の能力ではなく、障害へのアプローチにあるのです。
 反対に言えば、ライダーが、このアプローチの基本をマスターすれば、驚くほどスムーズに障害を飛越できるようになります。同時に、障害馬術が、いわゆる「気合い」や「根性」、「一か八かのスリル」などとは、まったく無縁のスポーツであることが分かってもらえるでしょう。
 そして、適切にアプローチするためのポイントが、「リズム」と「ライン」、そして「馬の体勢」です。馬が一定のリズムで気持ち良く走り、障害を飛越しやすい体勢のまま、真っすぐアプローチできれば、馬は飛越しやすくなり、ますます障害に対して自信をつけていきます。
 このような理想的なアプローチを実現するために、障害馬術を志すライダーは、まず、正しい基本姿勢をマスターする必要があるのです。

◆基本姿勢は、先人たちが築き上げた貴重な騎乗技術
 そもそも、基本姿勢というものは、競技種目や求める運動、さらに時代によっても変わっていくものです。
 例えば、障害を飛ぶ際も、かつては、長めの鐙でライダーが後ろに仰け反り、腰で鞍を前に送り出す姿勢が基本でした。しかし、この基本姿勢だと、ライダーは鞍が上昇し、着地する時の衝撃を吸収できず、馬の背中の動きも妨げます。また、馬の重心は通常より前方へ移りますが、ライダーの重心は後ろに残ったままとなり、人馬の重心の位置も、バラバラになってしまいます。
 その後、スポーツ科学の分野が発達し、障害馬術においても、短い鐙に立って腰を浮かし、鞍の上下の動きに影響されない騎乗法が登場しました。また、馬の自然な動きを重視するイタリアの自然馬術では、ライダーが前傾し、走る馬と人間の重心を一致させる騎乗法が誕生します。
 そして、その流れを汲む「アメリカン・スタイル」では、馬とライダーの接点が、両ふくらはぎのみの「2ポイント姿勢」と、それに、腰の接点を加えた「3ポイント姿勢」という2つの基本姿勢を確立。さらに、学者などによる研究の結果、最も効率良く馬の動きについていける前傾の角度が30度であることなども分かっています。
 このように、基本姿勢とは、先人たちが膨大な経験と長い時間を費やして築き上げた、貴重な騎乗技術なのです。
 普段から姿勢について厳しく指導されているライダーたちは、「また姿勢か。。。」とガックリきてしまうかもしれません。しかし、障害馬術においても、この基本姿勢の習得こそが、できるだけ早く、効率良く、そして安全に上達する、一番の近道なのです。

◆今回のツボ
「基本姿勢を先にマスターする」

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